12年前(2010年)に注文住宅を新築したときの経験をもとに注文住宅を新築する時の「費用・スケジュール・心構え」について解説します。
注文住宅を建てる際に費用やスケジュールも大切ですが、何より「心構え」が重要です。スケジュールや費用が十分であっても心構えがしっかりしていないと、思わぬトラブルになることがあります。
「費用・スケジュール・心構え」の3つが大きな柱になりますので、この点をポイントに説明します。
✔︎費用:無理のない資金計画
✔︎スケジュール:家のコンセプト・打ち合わせや検討時間の確保
✔︎心構え:施主は自分(自分が建てるのが大前提・建築工事は委託)
我が家の反省点なども含めて解説しますので、参考にしてください。
新築一戸建てを注文住宅で建替え!まずは心構えが必要です
"施主=あなた"です。自分が家を建てるということが大原則です。
実際にはハウスメーカーや工務店が施工しますが、あくまでも委託と受託(請負)の関係です。意思決定とそれに伴う責任は施主(あなた)にあります。
委託契約における双方のリスクと責任の取り決めはありますが、あくまでも契約に縛られますのでこの点も理解しておく必要があります。
このことをよく理解して自分が中心に物事を進めていく必要があります。
部材・パーツの選択に関する意思決定や建築施工中の現場確認などは特に重要です。
費用
✔︎ローン
多くの場合、頭金をいくらか積んでローンで支払いというパターンが多いでしょう。この場合、金利や支払い期間など十分に確認してから検討する必要があります。
無謀な資金計画で破綻しないことが大切です。
✔︎現金
現金で支払いというパターンは割合で見ると多くないかもしれません。私の経験から「現金で払えるなら現金で」というのが実感です。
我が家は全て現金で支払いました。
現金で支払ったことで一気に手持ちの現金が減り、ほぼ無一文に近い状況になりましたが、多額のローンを抱えるよりは精神的に楽でした。
後述する保険関係の負担も建築費が現金支払いの場合は要求される事項が少なく比較的軽くすみます。
✔︎生命保険・火災保険
ここで新築にあたりローンで購入する場合の保険の必要性について説明します。
ローンで購入する場合は施主のローン支払い期間中の死亡や火災のリスクがあります。そのため保険に加入する必要があります。
ハウスメーカーの場合、この点について具体的な説明や保険の指定がありますので、提示に従い保険加入を検討してください。
私自身は現金支払いでしたので、ハウスメーカーの保険提示はありませんでした。自分が選んだ火災保険(大阪府民共済)に加入しただけです。
計画(目的・スケジュール)
では具体的な計画について説明します。行き当たりばったりだったり目的がはっきりしないと「後でこうしておけばよかった」ということになります。
目的を明確にする
まず、目的を明確にしておきます。
建替え前の自宅は築30年以上経過した建売物件でした。継ぎ足しで増築などしており、建物の精度が高いとはいえませんでした。自宅内も長年購入してきた物品が多くて収納がうまくいかないという状況です。夜間侵入・窃盗の被害もありました。
当時筆者は40歳代でしたが、家の老朽化の状態を考えると、あと30年住むのは厳しいと実感しました。
そこで、省エネと収納の面を充実させようということで建替えに踏み切りました。
✔︎省エネ・環境
選択した商品は高気密・高断熱仕様です。太陽光発電は標準でしたが、費用対効果を考慮して設置しませんでした。建替え後は居室が狭いこともあって、冬は外気温が5度を超えると暖房が必要ないくらいです。
✔︎収納
収納に最もこだわりました。居室に物を置くのが好きではありませんし、季節物の収納も場所を取るので居室が多少狭くなっても出来るだけ収納スペースを確保するようにしました。
✔︎感染症対策
我が家の建て替えは2010年です。コロナ以前ですので感染症対策の視点はありませんでした。今なら玄関エリアに手洗いやクローゼットの設置を検討していたでしょう。
✔︎IT・リモートワーク
新築当時(2010年)はリモートワークなど考えが及びませんでしたが、「いつかそんな時代が来る」と思っていたので、一定の準備をしました。
ウォークインクローゼット内にネット関連の機器を設置できるように情報ボックスを設置しました。ここにネットワーク関連の機器を設置し、全居室にインターネット(有線LAN)、TVアンテナ端子、電話の端子(3点をまとめた情報コンセント)を配置しました。
リモートワークになった現在、有線LANケーブルを挿せるコンセントはとても便利です。無線LANでも対応可能ですが、有線のほうが安定しています。無線LANのルーターは1階と2階に配置していますが、WEB会議では有線LANの方が通信が安定しているので重宝しています。
✔︎防犯
防犯は標準仕様で十分対応できるレベルでしたので特にオプションなどは検討しませんでした。
窓ガラスはCP(セキュオペア)といって簡単に割れるものではありません。玄関ドアの鍵は2箇所でサムターン回し対策品です。また、スリット窓を除く全窓シャッター付きでロックできるタイプにしました。
✔︎高齢対策
フロアの段差なし、手すりなど標準でしたので特にオプションは検討しませんでした。数年後に1カ所だけ手すりを設置した箇所がありました。
ハウスメーカーなどでは最初から標準の項目やオプションなどで設定されているものがあります。
どの項目も完全にやろうとするとコストがかさみます。資金も視野に入れながら検討しましょう。
ということで我が家は「環境性能と収納」に重点を置いて、
スケジュール検討
予備知識がないとハウスメーカーの選定から完成・引き渡し、引っ越しの期間がわかりにくいですよね。
家の規模や仕様(木造・鉄骨など)によって工期が変わります。
我が家の場合、2009年春頃からハウスメーカー選定を開始、夏にハウスメーカーを決定、そこから仕様検討の打ち合わせを重ね、12月頃に仕様決定、発注をしました。
仕様決定までの間に仮住まい探しをし、12月に仮住まいを決定しました。
仮住まいへの引っ越しは2010年1月中旬に行いました。
そこから自宅の取り壊し、地盤改良、基礎工事、建て方工事、内装工事が進み、最終的に引き渡しは201年3月末日という流れでした。
取り壊しから引き渡しまでは3ヶ月未満です。これはハウスメーカーの工法(軽量鉄骨)によるものです。建て方工事自体は鉄骨でフレームを組んでそこに壁パネルをはめ込んでいく方法で進みます。この工事は1日でできました。
ハウスメーカー選定開始から引き渡しまで約1年でした。
建築までの留意点
価格交渉はやりすぎない
価格交渉は重要な課題ですが、ここで値引き一辺倒にならないように注意することが重要です。ハウスメーカーの場合に限らず、施工を部分的に外注や応援でカバーすることが多いです。
値切ることで外注や応援でレベルの低い委託先に発注することが懸念されます。ある程度の交渉は必要ですが、値引きにこだわりすぎると後で後悔することになります。
打合せにはかなりの時間が必要
建築開始前から建築中には相当な打合せ時間が必要です。
注文住宅の場合、仕様や部材まで事細かく施主の意向を確認する必要から、打合せにはかなりの時間が必要になります。
この点は覚悟しておく必要があります。
私の場合は契約から引き渡しまでのうち、特に自宅の取り壊しまでの間に毎週のように打ち合わせがありました。最初は嬉しいことも手伝って意気込んでいましたが、回を重ねると疲れてしまっって「適当にやってください」なんて気持ちになったことがあります。
建替えの場合の留意点
建て替えの場合、自宅の取り壊しから完成までの間の仮住まいが必要になります。
一般的には賃貸住宅の契約は2年単位だったりするので、数ヶ月の契約で借りられる賃貸住宅を探すのはなかなか大変です。
引越し代は2回分必要ですし、建て替えの間の家賃などあらかじめ予定しておく必要があります。
また費用面だけでなく、仮住まいは環境変化が激しく、一時的な住まいということもあり、住み心地に不満を強く持ったりしますので、精神的にも疲れます。
こうした面でも家族へのケアが大切になります。
登記を忘れずに
家の建て替えの場合は既存の建物の滅失登記と新築した建物の登記が必要になります。通常はハウスメーカーが有料でサポートしますが、この点は必ず確認しておきましょう。
建物の登記は正確な図面が必要になりますので素人がやるには困難ですので建替え時に必ずやっておきましょう。
建物が自分の持ち物であることを証明する唯一の方法です。
建物の登記には「表題部」と「権利部」の2種類がありますので最終的な登記の証明は2つになります。
まとめ
いかがでしたか?簡単にまとめましたが、参考になれば幸いです。
心構えがもっとも大切で、あとは費用、スケジュールなどしっかりと検討する必要があります。
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