ITパスポート合格者が語る秘訣:効果的な学習法と試験対策のコツ

2023年7月23日(日)に"ITパスポート"を受験し、合格しました。

会社から取得を命じられたという事情はありますが、公私の区別なくこれからの生活には欠かせないDX(デジタルトランフォーメーション)に馴染むために取得してみようということになりました。

筆者は"ITパスポート"の前身である"初級システムアドミニストレーター"は20年ほど前に取得していましたが、ITの世界は20年も経つとすっかり様変わりしています。学び直しという点でも重要でした。

後段にも記しますが"IT"(Information Technology・情報技術)だけでなく一般的な業務・実務を行う上でもとても重要な基礎知識の習得という意味がありますので、立場や年齢に関係なく学習することをお勧めします。

この記事はこれから"ITパスポート"を取得しようする方向けに作成しています。

ITパスポートとは

"ITパスポート"とは独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が主催する公的な資格です。試験運営は株式会社日立ソリューションズ・クリエイトが実施しています。

ITパスポート試験の詳細→https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

独立行政法人 情報処理推進機構→https://www.ipa.go.jp/

受験から合格証受領までの流れ

"ITパスポート"の受験は申込の上、会場に用意されているパソコンで行います。会場はほとんどの場合がパソコンが常設されているパソコン教室などで随時開催されています。

Windows10またはWindows11のパソコンがあれば自宅で擬似体験も可能です。

合格基準は1,000点満点で600点以上を取得すれば合格です。受験終了後すぐに画面上で自動計算され点数が表示されます。合否の表示はありませんが600点以上取得できていれば合格です。

筆者の場合は715点で翌月中旬にはITパスポート試験のウェブサイトで受験番号で合格が確認できました。合格を証明する書面はさらに翌月の中旬に簡易書留で手元に届きました。

受験〜合格〜合格証受領まで最大2ヶ月半、最短でも1ヶ月半くらいかかりますので目安にしてください。

試験問題の内容

試験問題は3つの分野に別れています。

3つの試験分野

  • ストラテジ系(企業が行う活動、法務、経営戦略、技術戦略システム戦略など)
  • マネジメント系(システム開発に関する技術、開発管理、PM、システム監査など)
  • テクノロジー系(アルゴリズム、コンピューター構成要素、システム構成要素など)

ここにあげたのは一部ですが、分野としては3つであることに変わりはありません。試験自体もこの3つの分野順で出題されます。

これは極めて個人的な感想ですが、20年ほど前に取得した"初級システムアドミニストレーター"の方が"IT寄り"だったと感じています。

全体感としては一般的な企業業務において"DX"を推進するための基礎的な知識要件という印象です。実際の令和5年度(2023年4月〜8月累計)の受験構成は社会人が78.9%、学生が21.1%という状況で8割近くの受験者が社会人です。

全体の合格率は51.6%ですが興味深いのは社会人の合格率が非IT系の合格率(56.0%)の方がIT系の社会人の合格率(52.6%)より高いということです。

さらにこまかく見ていくと学生の合格率で一番高いのは大学院生の66.0%でそれ以外の大学生〜小中高では50%を超える合格率は見られません。大学生の合格率46.1%を除けばほとんどが20%台から30%台です。

大学院生はおそらく専門分野でしょうし、一般企業で業務を行っている人は日常の業務での経験が有利に働くのではないかと感じています。

合格率が50%前後ですからそれほど難易度が高いものではありませんが、ITやDX、企業業務に馴染みのない方は十分な学習が必要です。

合格体験談

ここから筆者の合格への道のりを体験談を中心に展開します。

まず、受験の背景は冒頭でも書いていますが、勤務する会社からの指示「全社員ITパスポート資格の取得」です。

学習の方法は2つです。

一つは会社から与えられた学習用のアカウントです。ベネッセが展開する"Udemy"です。テレビやネットでよく見る学習サイトです。

このプラットフォームのITパスポート用のコースを受講しました。

もう一つは後述しますが、「過去問道場」です。

この2つを集中的に取り組みました。

特に集中したのは「過去問道場」です。過去10年分は繰り返し解きながら解説を読んで叩き込みました。

実際の学習は机上でも行いましたが、通勤の移動中もこの2つの学習を継続しました。どちらもスマホやiPadでも学習可能なので隙間時間を有効に使うことができます。

学習開始から1ヶ月でITパスポート試験を申し込み、受験日は学習開始から約2ヶ月後です。「過去問道場」でコンスタントに8割の正答率に達した時に試験の申し込みをしました。

受験は少々緊張しましたが、715点を取得しました。「過去問道場」で取得していた点数より100点前後は低い点数でした。似た問題は出ますが、酷似している問題はほとんどありませんから、点数が低下することは予想していました。

あとは緊張感です。普段と違う環境はメンタルの影響します。そういう点では普段から8割以上は正解できるように自己のレベルを調整する必要があります。

効果的な学習法

すでに述べましたが、筆者の学習法はeラーニングと「過去問道場」です。eラーニングはたまたま会社制度を利用できましたが、一般的には費用がかかりますので、検討が必要です。

筆者の感覚ではeラーニングが無くても「過去問道場」で十分対策できると確信しています。

学習は一定程度の時間が必要ですが、期間は出来るだけ短い方が良いです。要するに日常の学習時間をしっかり確保することと隙間時間を活用することです。

得意問題には時間を割かず、苦手問題、特に微妙に苦手な問題は徹底的に繰り返すことです。

筆者の場合はアルゴリズムの問題が大変苦手でしたし、実際の出題は過去問で見ると1、2問なので最初から捨てていました。

全体の合格率が50%前後と難易度自体は高くありません。ITパスポートの学習だけに多くの時間・期間を使うのは効率という点で好ましくありません。特に社会人は学生と比べると日常の経験から有利ですので、時間をかけ過ぎないのが良いでしょう。

短期間集中型です。

期限を定めて集中的に学習してください。

以下は参考サイトです。

ITパスポート試験ドットコム→https://www.itpassportsiken.com/

過去問道場→https://www.itpassportsiken.com/ipkakomon.php

試験時のコツ

試験自体はパソコン教室などでパソコンを使って受験することになります。まずこの点に慣れるためには「CBT擬似体験ソフトウエア」を導入して経験しておくことをお勧めします。

Windows10または11のパソコンがあれば利用することができます。

筆者はWindowsのPCを所有していないので事前に経験しませんでしたが「CBT操作説明」を事前に熟読して戸惑わないようにしました。

受験時はやや緊張するということ、過去問をいくらやっても似ている問題はあっても同じ問題はないと考えてください。そのため体調は万全にしておく必要があります。

問題は出題順に取り組みますが、苦手な問題や即答できない問題は一旦、解答しておいて「あとで見直す」チェックがつけられますのでこれを活用します。

時間は目一杯使いましょう。たとえ時間に余裕があっても見直しは繰り返しましょう。

緊張と焦りは避けたいものです。過去問をどれだけやっているかが重要です。休日などに「ITパスポート過去問道場」を活用してセルフ模試をやるのもいいでしょう。

時間管理とモチベーションの維持

時間管理とモチベーションの維持は「隙間時間と短期集中」です。ダラダラt時間をかけても飽きていきますので期限と目標設定をして取り組んでください。

筆者は1ヶ月で過去問がコンスタントに8割以上正解できるように取り組み、それから受験まで1ヶ月、合計2ヶ月を目指しました。ITに馴染みがあったり、普段からビジネス系の学習をしているのであればさらに短時間での取得も可能です。

まとめ

「ITパスポート」取得について筆者の経験をもとに説明しました。参考になりましたでしょうか。

ITに馴染みがあれば、また日常の業務で戦略や管理に携わっていれば難しいものではありません。「ITパスポート」自体は特別なものではありませんが、現代の仕事では必須と言える基礎的な要件を備えているかどうかの基準になりますので「ITパスポート」取得を視野に入れてはどうでしょうか?

みなさんの参考になれば幸いです。

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