この記事ではTOEICの勉強法について紹介します。TOEIC学習に取り組む際の参考にしてください。
ベストスコア"745点"の筆者は公式問題集を使った勉強に大半の時間を使いました。メインの公式問題集に単語対策を加えたことで700点台を達成することができました。
絞り込んだ勉強法に徹底的に集中することが大切です。特に公式問題集は実際の問題を制作する会社が作っているので、本番さながらのテイストを味わうことができます。
まだTOEICを受験していない方、400点〜500点前後のスコアの方は通過点としてこの記事を参考にして自分なりの学習方法を構築してください。
大切なことは学習と成果を確認しながらあなたに合う学習方法を作り上げることです。収集した学習情報や学習方法を実践しながら効果を確認し、成果やモチベーションに繋げることが重要になります。
言語体験は個人によって異なります。英語の学習方法も個人によって差があることは理解しておくべきです。
※TOEICは"Listening&Reading"と"Speaking&Writing"の2種類の受験種別があります。この記事では"Listening&Reading"について説明します。
TOEICとは/英語学習の対策・勉強法
"TOEIC"とは"一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会"(IIBC)が「人と企業の国際化」を基本理念として運営・主催する英語能力の測定を行うものです。
英語能力の測定には"英検"や"TOEFL"などもありますが私は一貫して"TOEIC"のスコアアップを目指して学習してきました。
学校教育や企業における英語能力測定の基準として多く採用されています。
日本の学校教育における英語学習とは異なる学習方法や考え方が必要になりますが、単語や文法の理解が必要という基礎的な点では大きな違いはありません。
私自身が経験で感じた違いは学校教育における英語の学習は文法を中心とした"英語を日本語に翻訳する"ことが中心になります。
一方で"TOEIC"では"英語を日本語に翻訳する"ことが中心"のプロセスが逆にスコアの獲得の邪魔になります。"TOEIC"は2時間で200問の設問に解答する必要があります。"日本語に翻訳する"ことが時間を無駄に消費するので、"英語のまま理解する"ことがとても大切になります。
難しいと感じるかもしれませんが、"設問に書かれている状況・情景をイメージできる"ようになることが重要です。これは"TOEIC"学習に習熟していくと理解できるようになります。
では、以下にTOEIC対策・勉強法の基礎について説明します。
TOEICの学習目的を明確に
TOEICの学習には目的を明確にする必要があります。獲得したスコアは英語能力の測定結果ですから、受験や就職、企業での昇進・評価などに活かせることなどが目的になるでしょう。
一方で何かに活用することよりも、英語学習や受験そのものを楽しむといった活用もあります。私がそのタイプです。高得点を取ることで会社から奨励金がもらえたり、社内に開示されたりすることでモチベーションの維持にもなります。
私がTOEICの学習を始めたのは、海外の映画やドラマを吹き替えや字幕ではなく俳優の声をそのまま楽しみたいと思ったからです。こうなると趣味の範囲ですね。
英語学習は"TOEIC"である必要はありませんでしたが、リスニング能力を向上させるのに手っ取り早いと感じました。
目的は人それぞれですから、周りの意見よりも自分なりの目的を明確にして取り組むと良いでしょう。
TOEIC試験の特徴
TOEICの"Listening&Reading"は全部で7つのパートがあります。"LIstening"がPart1からPart4まで、"Reading"がPart5からPart7まであります。
Listening100問約45分、Reading100問約1時間15分で合計200問約2時間です。受験英語と違ってかなり忙しい試験です。
Listeningは会場内で放送される音声の進行に従うしかなく、しかもほとんど音声だけが頼りですから、聴き逃しは致命的です。聞き逃した場合、あきらめるしかありません。
解答用紙と問題用紙は指定された欄への指定された事項(氏名や受験番号、解答のマーキング等)以外の書き込みは厳禁です。指示以外の書き込みは失格になりますので注意してください。
回答がわからない、または時間不足の場合の対処方法は後述します。
Part1:写真描写問題(6問)/Listening
1枚の写真について4つの説明文が1回だけ放送されます。写真に最も適した説明文を選択します。説明文は印刷されていません。写真と音声だけが頼りです。
私は人物の所作や物の配置などを瞬時に見渡すようにしています。
スコアを得やすいPartなので気を抜かないようにします。
Part2:応答問題(25問)/Listening
1つの質問または発言と3つの応答が1回だけ放送されます。1つの質問または発言に対する最も適切な応答文を選択します。質問・発言と応答ともに印刷されていません。音だけが頼りですから聴き逃さないように集中します。
質問音声は冒頭を聞き逃さないように注意して消去法で解答するようにしています。一方で発言音声は全体をしっかり聴いて場面を想像しながら解答を選択します。
スコアを得やすいPartですが、私がTOEICの受験を始めた頃と比べると難易度は上がっています。特に発言音声の問題は情景をビジュアル化する想像力が必要になります。
Part3:会話問題(39問)/Listening
会話が会場内で1回だけ放送された後に設問が放送されます。会話は印刷されていませんが、設問と解答選択肢は印刷されています。解答の選択肢は4つあります。最も適した選択肢を選びます。
ほぼ音声だけが頼りですが、設問と解答の選択肢が印刷されていますのでこれを先読みしておくことで解答しやすくなります。
Part4にも同じことが言えますが、設問と選択肢を先読みすると音声が放送されている途中で解答が判明することがあります。この時、解答の選択肢を忘れないように速やかに(簡易に)マーキングしておき、次の問題に入るまでの隙間時間できちんとマーキングします。とにかくTOEICは忙しく時間効率が問われます。
Part4:説明文問題(30問)/Listening
アナウンスや電話メッセージなどの説明文が会場内で放送され、その後に設問が流れます。説明は印刷されていませんが、設問と選択肢は印刷されています。解答の選択肢は4つあります。最も適した選択肢を選びます。
Part3同様、設問と回答の選択肢が印刷されていますのでこれを先読みしておくことで解答しやすくなります。
Part5:短文穴埋め問題(30問)/Reading
短文の空欄に入る最も適切な選択肢を選ぶという、不完全な文章を完成させる問題です。
スコアを得やすいPartですが、高スコアを得るにはコツが必要です。
英語の試験というと"日本語に訳す"という固定概念があります。一方でTOEIC全般に言えることですが、必ずしも"日本語に訳す"必要はありませんし、いちいち"日本語に訳す"ことがスコアにつながらず、むしろ時間の無駄を生むことさえあります。
TOEICはとても忙しい試験なので、無駄なく時間を使ってスコアを獲得することが大切になります。
Part5はマーキングする時間を含めて1問平均5秒から10秒を目標にしています。
Part6:長文穴埋め問題(16問)/Reading
長文といってもPart7と比べると短い文章です。数行の文章(複数文)のかたまりに4つの空欄があり、最も適切な選択肢を選んで文章を完成させる問題です。
スコアは得やすいですが、素早く終えないと次のPart7の時間が不足します。ポイントはどの問題にも文章を選択する問題が含まれます。この文章選択で時間を使いがちになりますので注意が必要です。TOEICにはじっくり考える時間などありません。
Part7:読解問題(25問)/Reading
さまざまな形式の文章が出題されます。1つの文章、2つの文章、3つの文章に図形や表なども加わり複雑な構成の問題も出題されます。1つの設問に対して4つの選択肢があり、最も適した選択肢を解答します。
チャットやメールでのやり取りや、社内通知、人材募集や広告、通販で起きたトラブルに関するものなど分野も多岐にわたります。何度か受験すると傾向がわかりますので、受験を重ねるとコツが掴めます。
TOEICの試験問題では最も問題数や文章量が多く解答に時間を要します。日頃から英語を読み慣れておく必要があります。
TOEICの学習に必要なツール(公式を中心にする)
TOEICの学習にはいくつかのツールが必要です。特に公式問題集は必須です。
私が使用するツールは次の通りです。
公式問題集
TOEIC公式問題集は必須です。現在、"Listening&Reading"の公式問題集は「1」から「8」まで発売されています。「1」から「8」まで全て揃えて対応するのが理想ですが、"すぐには無理"という場合は難易度や出題傾向の変遷を考慮してできるだけ最新刊から取り組むのがおすすめです。
問題を解いて答え合わせをするだけでなく、解説もしっかりと確認して定着させることが重要です。同じ問題でも繰り返すことで定着させます。
実際の進め方はセルフ模試として本場と同様に時間配分に注意しながら対応したり、Partごとに取り組むなど試してくだい。
私は初めて購入したものはセルフ模試を実施して、その後にPartごとに理解度を確認するようにしています。さらに受験前は再度、セルフ模試を実施して本番に備えます。
文法
✔︎ 「1駅1題 新TOEIC TEST 文法 特急」花田徹也 著/朝日新聞出版(電子書籍KINDLE版)
TOEICの"Part5"、"Part6"対策として活用しています。私はこれで600点台を獲得しました。
✔︎ 「英文読解の透視図」篠田重晃・玉置全人・中尾悟 著/株式会社 研究社
TOEIC対応の参考書ではありませんが、Part7の学習で行き詰まった時などに文章構造を理解するために活用します。初版は1994年と旧く解説の文章が時代を感じさせます。私が所有するものは2019年版です。
単語
✔︎ 「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス」TEX加藤 著/朝日新聞出版
私はこれでベストスコア745点を獲得しました。TOEICは単語がかなり重要です。この著書はTOEICに出題される単語を多くカバーしています。
わからない単語に小さな付箋で目印をつけて、覚えたら付箋を外し、また忘れたら付箋を貼って、の繰り返しです。
私がメインで活用している問題集・参考書は以上です。他にも所有していますが、使用することはほとんどありません。
あれこれやるより公式問題集を中心に繰り返し実践することと、あとは2、3の問題集や参考書を補助的に活用するようにしています。
一人一人言語体験が異なりますので、自分に合った問題集・参考書探しが大切です。いろいろ試していく中で、自分に合うものを見つけてください。
特に公式問題集は必須なので必ず取り組んでください。
私は英語学習用のアプリ類は使っていません。せいぜい電子書籍の問題集・参考書程度です。「時間をかけてしっかり定着」を心がけています。
ただし、TOEICのスコアを早く獲得したいという方は英語学習用のアプリ活用は有効かもしれません。あなたの事情に合わせて英語学習用のアプリを検討してください。
TOEIC学習を習慣付けよう
TOEIC学習は習慣付けが大切です。
英語学習はいうまでもなく言語学習ですから日々の習慣で常に英語に触れるようにしましょう。この時、TOEIC用学習以外にもいくつかのポイントがあります。
学習体系を設定する
自分に合った学習体系を構築することが重要です。言語体験、学習体験には個人差があります。他人の学習を真似ながら自分の学習体系を作るのも一つの方法ですが、同じでなければならない、ということはありません。
しっくりするもの、実際のスコアの推移を見ながら作っていきましょう。
私の場合は次の通りです。(主にTOEIC用学習)
✔︎ 平常時
全体の問題に習熟するため、公式問題集をPartごとに解答し、解説を確認する。特に不正解箇所は念入りに確認。
語彙力アップのため「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス」を毎日100語程度確認。
Part5(短文穴埋め)対策として「1駅1題 新TOEIC TEST 文法 特急」を1日1章、時間に余裕があれば2章分解答。
✔︎ 受験予定の2〜3ヶ月前
平日(仕事の日)は公式問題集をListeningまたはReadingを毎日交互に取り組みます。もちろん解説も確認します。
この時注意するのは時間配分など実際の受験を想定して取り組みます。忙しい試験なので時間も気にしますが、正答率を上げることも重要ですので、ラフにやらないように注意しています。
土日(など休日)は公式問題集を使って模試を1セットやり、解説を確認します。
この時、時間配分を次の通りの目標にしています。
Part5と6で合計15分、Part7に1時間充てるようにしています。
✔︎ 受験1週間前
受験前週の土日に公式問題集を2セット取り組みます。これは時間配分の確認の意味もあります。
あとは単語とPart5対策を繰り返し学習します。
現在は受験を中断していますので、上記の学習方法は行っていません。時折、気が向くと突然、公式問題集に取り組んだり、単語学習やPart5対策をすることはあります。現在は受験再開に向けて以下の取り組みを行なっています。
TOEIC用の学習にこだわらない
すでに述べたようにTOIECには特徴がありますから、TOEIC用の学習が必要になりますが、同じことばかり繰り返すと飽きてきます。そこで、自分が興味を持てる分野で英語の学習をすることも大切になります。
ここでは私の普段の英語学習について触れておきます。現在は受験を中断していることもあり、好みに合わせて英語で好きな分野の情報収集をしています。
✔︎ YouTubeを活用
Listening用に「英語の耳」というチャンネルを視聴しています。これ以外にもListeningを楽しめるチャンネルがたくさんあります。自分に合ったものを探しましょう。
この他には海外ニュースや海外のガジェット系のYouTubeを習慣的に視聴するようにしています。
✔︎ 海外ドラマや洋画を楽しむ
主にNetflixやApple TV+で海外のドラマや映画を字幕なしで視聴しています。最初は字幕がないとなんだかよくわかりませんが、単語学習を重ねていくと理解が進みます。
元々、海外のドラマや映画が好きなので無理なく楽しめているのも良いと思います。
✔︎ 興味のある話題を英語で楽しむ
ListeningばかりでなくReadingも重要です。自分が興味を持てる話題を海外のサイトで読むようにしています。ガジェット系や経済関連の情報は海外のWEBサイトを読むようにしています。
✔︎ スマホやタブレットの言語は英語で
スマホやタブレットなどの端末の言語設定は全て英語にしています。こうすることで少しでも英語に慣れるようにしています。
【TOEIC】英語学習リスニングの対策・勉強法は工夫次第でいくらでもある!
義務感が強くならないように楽しみながら学習することも重要です。
TOEIC問題の解き方(基礎的な考え方)
TOEICの問題に対する解答の仕方はPartごとでも異なりますが、共通している点を挙げます。
✔︎ 日本語に訳さなくても解ける
TOEICの問題では"日本語に訳せ"というのは一切ありません。むしろ日本語に訳さなくても正解できる問題はたくさんあります。TOEICでは日本語の訳しても直接的にはスコアは上がりません。
日本語に訳していると時間が無駄になることの方が圧倒的に多いです。
選択肢の品詞を見ただけで瞬時に正解がわかることがあります。
理想は"英語を英語で理解"ですが、流石にそこまでは無理かもしれません。しかしながら英語を日本語に訳さなくても理解できる、ということはありますよね。
日本語に訳さなくても理解できるレベルまで単語を習得することや文章単位で情景を想像する習慣を身につけることが大切になります。
単語・文法・文章構造を理解し想像力を働かせることがポイントです。
✔︎ 情景・場面を想像する
会話文、説明文は情景を思い浮かべることができる想像力が大切です。これに加えて英語特有の表現もおさえておく必要があります。
例えば日本語で「10月1日までに提出してください」と言えば、10月1日に提出すれば良いわけですが、英語(海外)の場合は9月30日提出が期限、という理解になります。
✔︎ 設問と解答選択肢はできるだけ先読み
ListeningでもReadingでも設問と解答選択肢が印刷されているPartはできるだけ先読みしておくことが重要です。特に設問自体が解答ポイント、つまり会話や説明のどこに正解があるのかがわかりますから、先読みしない手はありません。
忙しい試験ですから時間的な余裕がなくても心がけておくべきです。
✔︎TOEIC頻出単語はおさえておく
TOEICは単語だけでもスコアアップが可能です。実際に私が700点台に入れたのは単語の影響が相当大きかったと感じています。
そういう点では「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス」は必須と言えます。
✔︎ 時間不足による未解答問題は一定の法則でマーキング
TOIECはとても忙しい試験で私は受験まもない頃、Part7の最後の15問から20問は時間が足りなくてマーキングすらできないということがありました。その時は適当にマーキングしていましたが、当てずっぽうだと全部不正解ということもあり得ます。
そこで、どうしても時間が足りなくて正解がわからない問題をマーキングする場合は、全て同じ選択肢にマーキングしておきます。例えば「残り10問時間が足りないので残り全てをAでマーキングする」とかです。そうすることで一定の割合で正答できる可能性があります。
英語の能力測定という点では、意義は異なりますが、5点足りずに勤務先や学校の成績基準に足りない、ということを避けるための最後の手段です。こうしたことも頭の片隅に置いてください。
TOEICまとめ
いかがですか?少しは参考になりましたでしょうか?
一個人の学習スタイルとTOEICの対策を紹介しました。皆さんが少してもスコアアップできれば幸いです。
言語体験、学習体験が異なれば自ずと個人に合わせた学習体系が必要になります。
あなたの英語学習の目的に合わせた学習方法を掴んでください。
特に初心者は「習うより慣れろ」です。単語だけ勉強して、とにかく1回受験してTOEICがどのようなものか体験してください。
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